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児童発達支援管理責任者(児発管)のOJTとは?要件や今後の法改正についても解説

法律を話す男性
児童発達支援管理責任者の資格取得に必要なOJT。どのような要件かご存知ですか?これから児童発達支援管理責任者を目指す人は、OJTについて理解しておく必要があるでしょう。

また、インターネット上では「児童発達管理責任者のOJT要件が緩和される」との声も多く聞かれます。

今回の記事では、児童発達支援管理責任者のOJTについて詳しく解説。合わせて、要件緩和についての現状も紹介していきます。

児童発達支援管理責任者(児発管)について

児童発達支援管理責任者とは、障害児福祉施設における管理資格のひとつです。障害を持つ児童が適切な支援を受けられるよう計画し、評価や管理などの業務を担います。また、児童の家族においても適切な福祉と繋がれるよう行政や他施設との橋渡し役を担うこともあり、児童福祉に欠かせない役職です。

児童発達支援管理責任者(児発管)の配置

児童発達支援管理責任者は、障害児福祉施設に最低1人以上の配置が必要です。そのため、児童福祉や障害児福祉に関する業界では大変需要の高い資格と言えます。

児童発達支援管理責任者は施設の管理者との兼任も可能です。しかし、児童指導員との兼任はできないので注意しましょう。

児童発達支援管理責任者を適正人数配置していない場合、報酬算定において減算を受ける可能性があります。また、行政から配置について指導があったにも関わらず、児童発達支援管理責任者を配置しない場合、障害児支援施設の認定を取り下げられてしまうこともあります。

障害児支援施設の運営において、児童発達支援管理責任者は欠かせない存在です。そのため、障害児支援業界では児童発達支援管理責任者の安定的な確保が重要な課題と考えられています。

児童発達支援管理責任者(児発管)になる方法

児童発達支援管理責任者の資格を得るためには、実務経験と研修の2つの課題をクリアする必要があります。

児童発達支援管理責任者の要件については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
児童発達支援管理責任者の要件について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【児童発達支援管理責任者資格の要件を徹底解説!なり方や最新事情も紹介】のページはこちらをクリック

実務経験

児童発達支援管理責任者の資格を得るためには、以下のいずれかの実務経験が必要です。
  • ・相談支援業務における3~5年以上の実務経験
  • ・直接支援業務における3~5年以上の実務経験
相談支援業務や直接支援業務には、さまざまな規定があり資格の有無によっても必要な実務経験の要件は異なります。また、実務経験の対象となる施設にも規定があるため、児童発達支援管理責任者を目指して実務経験を積む場合には、事前によく確認してみてください。

研修

児童発達支援管理責任者になるには、行政(または行政が委託した団体)が主催する研修への参加が必要です。

それぞれの研修においても、参加要件が定められているため詳細を事前に確認しておきましょう。

基礎研修

基礎研修
基礎研修では、相談支援従事者初心者研修およびサービス管理責任者等研修を受講します。講義および演習は計26時間ほどですが、受講内容や形式は各自治体によって異なります。

基礎研修は、実務経験要件を満たす前に受講が可能です。最短で児童発達支援管理責任者資格を取得したい人は、以下の基礎研修受講要件を参考にしてみてください。
  • 相談支援および直接支援の実務経験が3年以上
  • 所定の国家資格を所持し、当該資格を必要とする業務に従事した実務経験が1年以上
近年、基礎研修を対面式からオンデマンドや双方向式オンライン通信で行う自治体も増加傾向にあります。インターネットを利用して受講することで、受講しやすくなっているという声もあるため、事業所のある自治体の研修形式もよく確認してみるとよいでしょう。

OJT研修

基礎研修の終了後は、原則2年間のOJT研修が必要です。OJT研修については後程詳しく紹介します。

実践研修

実践研修では、14.5時間程度の研修を受けます。講義および対面による演習を行い各自治体で平均3日程度を予定しているケースが多いでしょう。(日数は自治体によって差があります)

実践研修の受講要件は以下のとおりです。
  • 基礎研修が完了している
  • 実践研修を受講する日から遡って過去5年間に2年以上の相談支援および直接支援の実務経験がある
実践研修を修了すれば、児童発達支援管理責任者として配置が可能になります。

児童発達支援管理責任者(児発管)は更新が必要

児童発達支援管理責任者の資格は、永久的なものではありません。5年ごとに更新研修を受講して更新する必要があります。

尚、更新研修も自治体(または行政が委託した団体)が主催して行っていますが、募集定員が定められており、希望すれば必ず受講できるという訳ではありません。

更新年には早めに研修のスケジュールを確認し、受講し損ねてしまうことのないよう申込等の手続きが必要です。

また、更新研修にも受講要件が定められています。
  • 児童発達支援管理責任者として配置されている
  • 更新研修を受講する日から遡って過去5年間の内、2年以上の児童発達支援管理責任者としての実務経験がある
児童発達支援管理責任者は、資格だけとって更新し続けることはできず、適正な実務経験を積み続ける必要がある点も要注意です。

児童発達支援管理責任者(児発管)のOJTとは

児童発達支援管理責任者になるには、実務経験の他に基礎研修および実践研修の受講が必要です。しかし、基礎研修と実践研修の間に「OJT」として2年間の期間が定められており、この部分で「どういったことをするのだろう?」と疑問を感じる人も少なくないでしょう。

続いては、児童発達支援管理責任者におけるOJTについて解説していきます。

OJTとは

OJTとはビジネスシーンでよく使われる用語のひとつで「On the Job Training」の略称です。日本語では現任訓練といいます。

OJTは、実際に現場で実務を行いながら仕事内容を覚える職業教育のひとつで、さまざまな業種でよく見られるトレーニング方法と言えるでしょう。

実際にこれらから担う業務をサポートを受けながら実践することで、より深く理解していくことがOJTの目的です。

児童発達支援管理責任者のOJT期間

児童発達支援管理責任者は、基礎研修と実践研修の間に2年間以上のOJTが必要です。
OJTでは、児童発達支援管理責任者としての業務を担います。

ちなみに、OJT期間中は専任の児童発達支援管理責任者が配置されている状態であれば、児童指導員として配置することも可能です。ただし、OJT期間中の2人目の児童発達支援管理責任者の児童指導員としての配置については、各自治体で見解が分かれています。

施設の所属する自治体の見解をよく確認するようにしてください。

OJT期間中の児童発達支援管理責任者(児発管)ができる業務

OJT期間中の児童発達支援管理責任者は、施設で以下の業務を担います。

2人目の児童発達支援管理責任者として配置できる

基本的に障害児支援施設では1人以上の児童発達支援管理責任者の配置が必要です。OJT期間中の児童発達支援管理責任者は、2人目の児童発達支援管理責任者として配置できます。

児童発達支援管理責任者としての業務を分散させることができるため、業務効率化や支援の充実に繋げることができるでしょう。

個別支援計画書の原案作成ができる

児童発達支援管理責任者の代表的な業務として挙げられるのが、個別支援計画書の作成です。元々、個別支援計画書は児童発達支援管理責任者が1人で全てを作成しなければいけない訳ではありません。児童指導員をはじめとする他の支援スタッフと協力して作成してもよいとされています。

しかし、個別支援計画書の原案作成や利用者への説明・同意取得などは基本的に児童発達支援管理責任者が行うケースが多いです。OJT中の児童発達支援管理責任者は、個別支援計画書の原案作成の業務を担うことができます。

児童発達支援管理責任者(児発管)のOJTに関する問題点

児童発達支援管理責任者の資格を取得するためOJTが必要となったことで、資格取得までの最短期間(実務経験を除く)は2年となりました。

これは児童障害福祉において大変な問題と言えます。施設に1人以上の配置が必要にも関わらず、児童発達支援管理責任者として配置できるまでに2年間もの年月が必要となるからです。

これにより、児童障害福祉業界では児童発達支援管理責任者の人材が不足しており、年々需要は高まるばかりとなっています。

支援を求める人のために施設の拡充を図りたいものの、児童発達支援管理責任者を確保できないことが理由で実現できないといった問題もあります。

【2023年】児童発達支援管理責任者(児発管)のOJT要件の緩和が立案された

前項で紹介した問題を解決するため、厚生労働省が主催する社会保障審議会障害者部会では、児童発達支援管理責任者のOJT要件緩和についての議論が行われました。

議論の内容について詳しくみていきましょう。

OJT期間が2年→6カ月に緩和

議会では、児童発達支援管理責任者のOJT期間を短縮する案が立案されました。現法では2年間と定められている児童発達支援管理責任者のOJT期間ですが、6ヵ月間に短縮することで児童発達支援管理責任者資格を取得しやすいようにする目的です。

立案された内容ではOJTについて以下の要件が付随されています。
  • OJT中は1人目の児童発達支援管理責任者が配置されている事業所において、2人目の児童発達支援管理責任者として個別支援計画書の原案作成までの一連の業務を行う
  • やむを得ない理由で児童発達支援管理責任者が配置されていない事業所において、1人目の児童発達支援管理責任者とみなして業務に従事し、個別支援計画の作成および一連の業務を行うこともOJTとして認める

例外的な措置(みなし配置)に関する要件

さらに議会では例外的な配置についても立案されました。
児童発達支援管理責任者の退職や休職など事業者の責任以外の理由によって配置基準を満たせなくなってしまい、直ちに新しい児童発達支援責任者の配置が困難な場合、基礎研修を終えてOJT中の者を1人目の児童発達支援管理責任者として最長2年配置可能とする
児童発達支援管理責任者の人材確保が難しいなか、急な退職や休職などによって運営に支障をきたす事業所は少なくありません。

現行においては、児童発達支援管理責任者の実務要件を満たし個別支援計画書の作成に関する知識を持っているスタッフを最長1年間みなし配置することが認められています。今回の議会では、現法に児童発達支援管理責任者OJT中のスタッフに対して最長2年間みなし児童発達支援管理責任者として配置できるようにする案が立案されました。

児童発達支援管理責任者のOJT要件緩和はいつから?

今回立案された法案は、正式可決されている訳ではないため施行時期は未定です。しかし、児童発達支援管理責任者の人材確保が困難になっている現状から、業界では可決されるであろうという見方が強いそうです。

今後、児童発達支援管理責任者のOJT要件が改正される可能性が大きいため、事業者および児童発達支援管理責任者の資格取得を検討している方は最新情報を確認しておくのがよいでしょう。

OJT要件を満たして児童発達支援管理責任者になろう

児童発達支援管理責任者になるためには、実務経験や基礎研修・実践研修の他に、OJTが必要な件について解説してきました。2023年4月現在、児童発達支援管理責任者のOJT要件は2年間と定められていますが、今後の法改正によって6カ月に短縮される可能性があります。

児童発達支援管理責任者を安定的に確保し、より質の高い障害児支援を拡充するためにも、今後さらに詳しく立案や改正における成果などの議論が行われることでしょう。児童発達支援管理責任者を目指している人は、最新の情報を獲得して資格の取得を目指してみてください。
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